加藤木材さんと「百年杉」
加藤木材さん。
三重県尾鷲産の高樹齢杉「百年杉」を専門に扱う材木屋さんです。
そして・・
真っ直ぐな、頼れるアニキ。
私は床に敷くには、主にこの「百年杉」を勧めています。
杉は・・
暖かく、
柔らかく、
吸放湿がよく、
癒されます。
しかも 杉は日本の固有種で、たくさんあります。
杉以外の樹種がダメなわけではありませんが、せっかく日本に住んでいるのに、杉を優先的に使わない手はない、と思います。
なぜ、わざわざ尾鷲の杉なのか?
たまたま出会ってしまったからです。
駄目でしょうか?(笑)
「百年杉」に出会う前には、いつくかの杉、ヒノキを自宅マンションに敷きました。多摩産材のヒノキが大好きだった時期があります。
それぞれよさがあり、個性があり、気持ちよかったです。
いのちを感じました。
その一方で、取り寄せてみたものの、あれ?こんなもんかな?と、物足りなく感じる木材もありました。
いのちが弱っている。
あるいは、その意図はなくとも、
人為的に「殺されている」。
そういう木材。
ホームセンターで売っている木は、そういう木です。
ほおずりして香りを嗅ぎたくなる材、
癒やしてくれる材、ではありません。
造作のための道具として割り切って使うな
ら別にいいんです。
でも、
床に敷くなら、
ただの素材としての木でなく、
身体全体が喜ぶ、
敷いたらお部屋の空気が変わる、
そういう木を敷きたいじゃないですか。
百年杉を知ったのは4〜5年前。
相棒S氏が百年杉を発見し、自宅に敷きつめたので、見に行きました。
うわ~、これは違うわ!
↑どうだ! と言わんばかりのS氏。
まず香りがすごい。
表面がしっとりしている。
濃密な何かを発していて、
部屋の空気の質がはっきりと違う。
何度もいいますが、他の杉が駄目なわけではありません。日本中の杉を検証して比べた訳でもありません。
たまたまこの杉に出会っただけです。
ただ、木にははっきりと質の違いがあり、それによって幸せの到達度が変わる、ということは知ってほしいです。
産地の環境、樹齢、部位、乾燥方法などで質が変わることは、あとで加藤さんから学びました。
産地の尾鷲にも行き、この杉が土と水と太陽が育んだものだと実感しました。
製品としての「百年杉」は産地の畦地製材所・畦地さんの手によって産まれます。
床材の形になってなお、百年近くかけて育まれたいのちは生きていて、 人に「大丈夫だよ」と語りかけてくれる。
そういう存在。
そのいのちを大切に扱うということ。
友達になるということ。
加藤木材さんとは、そのような価値観を共有できた、ということです。
人ひとりの人生はちっぽけなものですから、すべてを検証して決めるよりも、 出会いを大切に、ある程度それに身を任せて生きたいと思います。
だから、これからも、ほかの木や人と、そういう出会いがあるかもしれません。
そうしたら、別の杉を、百年杉と同じように勧めることになるかもしれません。
それもまたよしです。
また、私に依頼してくださる人が、 たまたま他の木とご縁があるのならば、 喜んでその材を一緒に敷きます。
(‶モノとしての木“は遠慮しますが…)
そういう出会いがあるかもしれない、
ということが、楽しみなのです。
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